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飲み薬タイプの発毛剤はAGA治療に効果がある?薬の種類や期待できる効果・副作用について解説

飲み薬タイプの発毛剤はAGA治療に効果がある?

多くの男性にとって切実な悩みである男性型脱毛症、通称AGAを発症する原因は人によって様々です。

不摂生な食生活や睡眠不足、ストレスなど、様々な原因が薄毛やぬけげの原因になっています。

AGAを治療するなら、AGAを専門とするクリニックに通院するのがセオリーです。

通院すれば、専門医による診断結果から患者個人に合った治療方法でAGA治療が行えます。

今回は、AGA治療で処方される飲み薬タイプの発毛剤の効果と種類、そして副作用について解説します。

飲み薬タイプの発毛剤に発毛効果がある?

飲み薬タイプの発毛剤の中でも、ミノキシジルを含むものは、発毛に対する効果が期待できます。

この効果の背景には、ミノキシジルが体内で「硫酸化ミノキシジル」に変換されるメカニズムが関係しています。

ミノキシジルを含むものには発毛効果があるといえる理由
  • ミノキシジルを直接頭皮に塗布する塗り薬に比べて、飲み薬タイプは肝臓での処理を経るため、変換効率が高く、広範囲にわたって発毛を促進させてくれるから
  • 肝臓には硫酸転移酵素が豊富に存在するため、硫酸化ミノキシジルの生成がより効率的に行われるから
  • 飲み薬は血流を通じて全身にミノキシジルを分散させるため、頭皮全体に均一に効果を及ぼすから

これにより、塗り薬ではカバーできない広範な薄毛や、均等でない毛髪の密度にも対応できます。

ただし、飲み薬の使用には医師の処方が必要であり、副作用のリスクも伴いますので、使用前には専門医の診断を受けることが重要です。

さらに飲み薬タイプの発毛剤は、特にミノキシジルが効きにくいとされる「ノンレスポンダー」の方々にも、ある程度の改善効果を期待できる可能性を秘めています。

このため、塗り薬での治療がうまくいかなかった場合にも、飲み薬への切り替えを検討する価値はあります。

AGA治療で処方される飲み薬タイプの発毛剤の効果と副作用

AGA(男性型脱毛症)の治療には、以下の3つの有効成分が用いられます。

AGA治療で処方される飲み薬タイプの発毛剤の効果と副作用
  • ミノキシジル
  • デュタステリド
  • フィナステリド

これらの治療薬はそれぞれ効果的な場面がありますが、副作用のリスクも伴うため、使用前には医師の診断と指導が必要です。

それぞれの薬剤がどのように作用し、どのような副作用があり得るのかを理解し、適切な治療法を選択することが重要です。

ここからは、上記3つの有効成分が持つ効果と副作用について解説します。

ミノキシジル

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ミノキシジルは、もともと高血圧治療薬として開発された成分で、副作用として毛髪の成長が観察されたことから発毛剤として再利用されるようになりました。

この成分は、AGA(男性型脱毛症)の治療において、発毛、育毛、抜け毛の予防に効果を発揮します。

ミノキシジルの主要な作用メカニズムは、毛母細胞の活性化と血行促進です。

主要な作用メカニズム期待できる効果
毛母細胞の活性化毛母細胞が分裂し、新しい髪の毛を生成する過程です。
ミノキシジルはこの活性化を促進し、その結果、より太く長い髪の成長を助けます。
しかし、このプロセスには毛乳頭細胞から毛母細胞への十分な酸素と栄養素の供給が不可欠です。
血行促進元々高血圧治療薬として開発されたミノキシジルには、血管を拡張させる作用があり、これによって血流が改善されます。
改善された血流によって、毛乳頭細胞に栄養がより効果的に届けられ、健康的な髪の成長が促されます。
しかし、血液中に十分な栄養が含まれていない場合、ミノキシジルの効果が感じられません。

また、ミノキシジルは血管拡張作用を持ち、これが血行を促進し毛根への栄養供給を改善します。

これにより、健康的で太い毛髪の成長が支援されるため、薄毛や抜け毛が減少します。

ミノキシジルの使用は比較的安全ですが、一部の個人では副作用が発生する可能性があります。

副作用
  • 初期脱毛
  • 動悸・息切れ
  • 多毛症など

さらに、内服薬としてのミノキシジルは血圧低下や心疾患のリスクを含む可能性があるため、使用前には医師の指導が必須です。

特に、心臓病の既往歴がある人は、使用にあたって注意が必要です。

全体的にミノキシジルは効果的な発毛剤ですが、その効果を最大限に引き出すためには、健康的な生活習慣と併用することが勧められます。

デュタステリド

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デュタステリドは、グラクソ・スミスクラインによって開発されたAGA(男性型脱毛症)治療薬で、主にザガーロの有効成分として知られています。

もともとは前立腺肥大の治療薬アボルブの成分として開発されましたが、AGAへの高い効果が認識され、ザガーロとして新たに市場に投入されました。

デュタステリドは、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを阻害し、このDHTがAGAの主要な原因であるため、薄毛の進行を抑制し、髪の成長を促進します。

その一方で、デュタステリドの使用はいくつかの副作用が伴います。

副作用
  • 性欲減退
  • 勃起不全
  • 精液量の減少

これらの副作用はフィナステリドと比較しても同等かやや高い頻度で発生することが報告されています。

また、デュタステリドは肝機能に影響を与える可能性があり、肝疾患のある患者や前立腺がん検査(PSA検査)を受ける患者は使用に際して特に注意が必要です。

フィナステリド

ジェネリック医薬品フィナステリド錠-300x193

フィナステリドは、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けてAGA治療に用いられるようになり、その効果としては、5α-還元酵素II型を阻害し、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑えることにより、AGAの進行を遅延させます。

フィナステリドを含む代表的な治療薬にはプロペシアがあり、これは日本で初めてAGA治療薬として販売された薬です。

現在ではプロペシアのジェネリック医薬品も登場しており、ファイザー社のフィナステリド錠などが広く利用されています。

これにより、治療のコストが抑えられ、より多くの患者がアクセス可能になりました。

フィナステリドの副作用として、以下の症状が見られる可能性があります。

副作用
  • 性欲減退
  • 勃起不全
  • 肝機能障害

これらの副作用は全体の発生率としては低いものの、性機能に関するものが目立つため、慎重な使用が求められます。

AGA治療薬として服用する飲み薬タイプの発毛剤の選び方

AGA治療に使用される飲み薬タイプの発毛剤は、その効果と目的に応じて選ぶことが重要です。

AGA治療薬として服用する飲み薬タイプの発毛剤の選び方
  • 自身の症状に合わせて薬を選ぶ
  • 月々の処方代で選ぶ
  • 専門医に相談してから選ぶ

ここでは、効果的に飲み薬を選ぶための基本的なポイントを解説します。

自身の症状に合わせて薬を選ぶ

AGA治療には主に「発毛を促進する治療薬」と「抜け毛を予防する治療薬」の二つのアプローチがあります。

例えば、発毛を促進したい場合はミノキシジルが含まれる薬を選び、既存の髪を保持したい場合はフィナステリドやデュタステリドが適しています。

これらの薬はそれぞれ作用機序が異なるため、自分の症状と治療目標に合わせて選択することが大切です。

月々の処方代で選ぶ

AGA治療は長期にわたることが多く、治療費の負担も考慮する必要があります。

健康保険の適用外であるため、治療薬のコストは全て自己負担となります。

ジェネリック薬を選ぶことでコストを抑えることができるため、経済的な負担を軽減しながら治療を続けられます。

また、一部の薬は用量を調節することで長期にわたってコストパフォーマンスを高めることも可能です。

専門医に相談してから選ぶ

AGAの治療薬を選ぶ際は、専門医の診断とアドバイスが不可欠です。

専門医は、患者の髪の状態、健康状態、そして治療への反応を詳細に評価し、最も適した薬を推薦してくれます。

AGA治療専門クリニックであれば、より専門的なアドバイスを受けることができ、治療の効果も高まる可能性があります。

また、副作用や治療中の変化に対して迅速に対応するサポートが受けられます。

飲み薬タイプの発毛剤に関する質問

発毛剤の選択と使用に関しては、多くの疑問が存在します。

ここでは、一般的な質問について詳しく解説します。

発毛剤は専門のクリニックで処方を受けるのがいい?

発毛剤はその効果と副作用のバランスを理解し、適切に使用する必要があります。

専門のクリニックで処方を受けることが推奨される理由は、専門医が個々の健康状態や脱毛の程度を評価し、最も適した治療計画を提案できるからです。

また、治療の進行を定期的にモニタリングし、必要に応じて治療法を調整できるため、より安全かつ効果的な治療が行えます。

発毛剤の効果はいつ頃から始まる?

発毛剤の効果を実感するまでの時間は、使用する薬剤と個人の体質によって異なりますが、一般的には使用開始から3ヶ月から6ヶ月後に効果が表れ始めます。

ミノキシジルを含む発毛剤は血流を改善し、毛母細胞を刺激して髪の成長周期を正常化しますが、これらの生物学的変化が顕著に表れるには時間が必要です。

副作用が出たら服用はやめるべき?

発毛剤の副作用が現れた場合、直ちに服用を中止するのではなく、専門医に相談することが重要です。

副作用の種類や程度によっては、用量の調整や他の薬剤への切り替えが適切な対応になります。

特に重篤な副作用の兆候が見られた場合は、すぐに医師の診断を受けるべきです。

発毛剤と育毛剤の違いは?

発毛剤と育毛剤はしばしば混同されがちですが、その作用機序と目的には明確な違いがあります。

発毛剤は医薬品として承認され、その効果が科学的に証明されており、毛母細胞を活性化させて新たな髪の成長を促します。

一方、育毛剤は頭皮の健康を維持し、既存の髪を保護・強化する目的で使用される医薬部外品や化粧品です。

育毛剤は主に髪の状態を改善し、健康な髪の成長をサポートするために役立ちます。

飲み薬タイプの発毛剤は塗るタイプよりも効果はあるが個人差に注意

AGA(男性型脱毛症)治療においては、飲み薬タイプの発毛剤が塗るタイプの製品と比較して、より広範囲かつ深い効果を発揮するとされています。

飲み薬タイプの代表的な成分であるミノキシジルやフィナステリドは、体内で直接作用し、毛母細胞の活性化やホルモンバランスの調整を通じてAGAの進行を抑制します。

また服用する際は、副作用のリスクについても留意が必要です。

飲み薬タイプは全身への影響が考えられるため、性欲減退や肝機能障害などの副作用が報告されています。

これに対し、塗るタイプの副作用は主に皮膚の刺激に留まることが多いです。

総じて、飲み薬タイプの発毛剤はその全身的な作用により、より強力かつ広範囲にわたる発毛効果を期待できるものの、副作用や治療コストも考慮する必要があります。

そのため、AGA治療を検討する際は、医師との相談を通じて個々の状況に最適な治療方法を選択しましょう。